EDHの辺境

しがないEDHプレイヤーのひとりごと

【EDH】永遠衆、ネヘブのススメ 〜解説記事〜

突然ですが、あなたはティミー・ジョニー・スパイクのどれに近いですか?

 

これは何かというと、
MTGの開発者がプレイヤーを「何が好きか」で大雑把に分けた時の名称である。
こちらも大雑把に説明すると、
ティミーはカード自体のインパクトが好き
ジョニーはカード同士のシナジーが好き
スパイクはカードで勝利することが好き
こう覚えればそこまで間違ってはいないだろう。

 

こと統率者戦(以下EDHと表記)のデッキに置き換えても同じ事ができると私は思う。
つまり「EDHで何をするのが好きなのか」という問いになる。
派手なパワーカードで圧倒すること?
思わず感動するシナジーを見せ付けること?
素早く勝利をその手に収めること?

 

お気に入りのジェネラルで戦うことそのものが好きかもしれない。
変わった戦法で相手を驚かせることが好きかもしれない。
人の好みは千差万別、EDHというフォーマットは好みでいくらでもデッキが変化する。
あなたは何が好きだろうか?

 

私?


私はーーー全てだ。


どれか一つではない。全て好きだ。
何が好きかなんて選ばせるような卑怯な質問をしたことは謝罪する。
だがどれも素晴らしい体験であり、願わくばこの全てを存分に堪能したい。

 

かくなる上は

 

ティミーもジョニーもスパイクも、全てが満足するEDHをするしかない!
「バカデカいカードで滅茶苦茶なコンボをして迅速に勝ちたい!」
とでも言えばいいだろうか。
呆れるほどの傲慢。青天井のハードル。
そもそもデカいカードを使いながら速く動けというのが無茶なのだ。
そんなことは可能なのか?ただの夢物語ではないのか?

 

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大丈夫。そう、ネヘブならね

 

そんなEDH永遠衆、ネヘブの解説記事になります。
まずはデッキリストをドン!
※2020/02/09開催・統率者戦大会『チビ・ドラゴン杯』第15回に出場した時のリストになります

--ジェネラル 1枚--
永遠衆、ネヘブ

 

『マナソース 52枚』

 (土地 30枚)
 古えの墳墓
 宝石の洞窟
 発明博覧会
 ニクスの祭殿、ニクソス
 血に染まりし城砦、真火
 ハンウィアーの要塞
 露天鉱床
 海門の残骸
 ウギンの目
 山 21枚


 (マナファクト 13枚)
 魔力の墓所
 永遠溢れの杯
 金属モックス
 魔力の櫃
 太陽の指輪
 精神石
 思考の器
 虹色のレンズ
 砕けたパワーストーン
 星のコンパス
 冷鉄の心臓
 友なる石
 スランの発電機

 

 (マナ加速 9枚)
 煮えたぎる歌
 背信のオーガ
 連続突撃
 今を生きる
 世界大戦
 大群の怒り
 焦熱の合流点
 コルバスの憤怒
 紅蓮炎血


『前座カード 15枚』
 ゴリラのシャーマン
 騒乱の発端、グレンゾ
 密輸人の回転翼機
 稲妻のすね当て
 エインジーの荒廃者
 予言の炎語り
 風雲船長、ラネリー
 輪の大魔術師
 月の大魔術師
 宝捕り
 帝国の徴募兵
 謎の石の断片
 戦慄衆、ネヘブ
 ウェザーライト
 グレムリン解放

 

『勝つ為のカード 32枚』
 (妨害 10枚)
 紅蓮波
 汚損破
 倦怠の宝珠
 三なる宝球
 破滅
 締め付け
 大いなる創造者、カーン
 業火のタイタン
 燎原の火
 破壊的な力


 (ドロー補助 10枚)
 ギャンブル
 舞台照らし
 埋め合わせ
 Wheel of Fortune
 炎の中の過去
 アゴナスの雄牛
 記憶の壺
 炎呼び、チャンドラ
 山背骨のドラゴン
 溶岩との融和


 (フィニッシャー 12枚)
 死の国からの脱出
 最後の賭け
 追い討ち
 多勢の兜
 山賊の頭、伍堂
 夢の略奪者
 ドラゴン魔道士
 精霊龍、ウギン
 虚空の選別者
 絶え間ない飢餓、ウラモグ
 無限に廻るもの、ウラモグ
 約束された終末、エムラクール

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円グラフ画像メーカー

https://lab.syncer.jp/Tool/Pie-Chart-Generator/

 

 オーケー落ち着いて聞いてくれ

これは真面目なリストだ信じてくれ

ツッコミ所満載なのは承知の上だ。
マナ加速の概念がおかしい、全体火力はどうした、
前座カードってなんだよ、勝つカードって大雑把すぎる等々
色々疑問に思うのも無理はない。
だが安心してほしい、ひとつひとつ解説する。
物凄く大胆なまとめ方をしたことにも理由がある。
だから今は理解できなくていい。
まだ何も解説していないのだから。

 

~目次~

 

1."非青"で"単色"でも強く組む

さてカードの解説を…と言いたいところだが
先にこれだけは説明しないと読者を置き去りにしてしまうだろう。
ズバリ何故このリストはこんな分け方なのか?だ。

オリジナルな名前まで付けて何がしたいんだ、という意見は甘んじて受け入れよう。
これには深いようで深くない、ちょっと深い理由がある。


一般的に、EDHというものは青が強いと言われる。
これはEDHが多人数戦であるがゆえの特徴である。
対戦相手が多い場合、1対1のカード交換すること自体がとにかく弱い。なにせ対戦相手は3人も居る。
対照的に自分のリソースを増やす動きが強くなり、具体的にはカードを引き増すことを重視しがちになる。これは青の得意とすることだ。
他に、相手がなにか脅威を出してくるとしてその種類は様々だ。
この様々な脅威を対処しようと考えた場合、青が持つ打消し呪文は広い範囲をカバーできるので心強い。

 

また、ジェネラルの色は多ければ多いほど良いとされる。
これはルール的な話で、EDHではジェネラルに含まれない色はデッキに入れてはいけないという制約が存在する。
だったら色が多いジェネラルを使えば制約も少なくなり、より幅広いデッキ構築ができるようになるのだ。
他にも、色が多いと各色のあらゆるサーチカードを使うことができるようになる。
すると特定のカードに頼った戦略も現実的になる。

 

ネヘブはどうか。


青か?いや赤だ。
色数は多いか?いや単色だ。
そう、先ほどからこれなら強い!と力説している内容に真っ向から対立している。

 

じゃあ弱いのか?

 

いや、そうじゃない。
ただ同じことをやったら見劣りするだけだ。

なにも単色デッキで勝利を重ねることは珍しいことじゃない。
他のフォーマットを見ても赤単というデッキは一定の存在感を示しており、
それは赤単が決して弱いわけではないことを明確に示している。

 

だったらそのデッキを参考にすればいいのではないか? 

試しに昔から存在するレガシー環境の赤単を見てみよう。  

 2020/02/01マジックオンライン レガシーリーグ

成績5-0

--土地 20枚--
20 山

--クリーチャー 12枚--
4 大歓楽の幻霊
4 ゴブリンの先達
4 僧院の速槍

--呪文 28枚--
4 稲妻の連鎖
4 極上の炎技
4 溶岩の撃ち込み
4 裂け目の稲妻
4 火炎破
4 稲妻
4 発展の代価
 
(サイドボードは省略)
赤単バーンだ!メインカードは全て4枚積みと潔いリストに美しさすら感じる。
だが今語るべきは美しさではない。
 
このリストを見れば一つの特徴に思い当たることだろう。
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似た効果を持つカードが多いのだ。


バーンデッキは金太郎飴デッキと呼ばれることがある。
見ればわかる通り、動きを安定させるカードなんてものは一枚も入ってないが
金太郎飴のようにどこを切り取っても同じものしか出てこないならば
いつでも安定して同じ動きができる!という構築論だ。

 

この構築論はEDHでも十分応用できるだろう。
赤単という安定感なんてものは何処かに置き去りにしてしまった色であっても
似た効果のカードを大量に採用すれば安定するはずだ。

 
EDHは100枚ハイランダー構築だぞ???
ハイランダーとは、デッキに同名カードは1枚ずつしか使えないルールの事
 
いや流石に似た効果のカードが100種類もあるわけがない。
だが考え方は変わらない。要は毎回似た動きができれば良いのだ。
ネヘブの強い動きを再現できるカードであればいい。
 
そして、可能ならば役割の種類は吟味するべきだ。
余計な要素はそのまま引きムラに直結する。
ネヘブの強い動きに必要なものを考え、それ以外の要素は極力排除すべきだろう。
だからこそ全く違う効果のものを「役割」によって分類し、ひとまとめにした。
すると今どのような「金太郎飴」が作られているのかが分かるのだ。
これが超大雑把なリスト爆誕の理由である。

2.ネヘブ無双を夢想する

さてネヘブの強い動きという言葉が出てきた。
どんなジェネラルであっても特有の強い動きがあるだろう。
その所謂"ブン回り"で勝てるならそれに越したことは無い。
じゃあネヘブのブン回りとはいったい何なのか?

 

これを知るには動きを観察するのが一番手っ取り早い。
ためしにネヘブを出してみよう。

 

1ターン目~

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君は先手だ。
そして山→魔力の墓所→友なる石とたまたま都合良くマナ加速ができたとする。
最高だ。次のターンに山を置けばネヘブが出せるだろう。
対戦相手も最初はマナ加速の為に土地を全てタップしている。

 

~2ターン目~

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2ターン目。山を置いた君は満を持してネヘブをプレイする!

早すぎて誰も対応できない!

そして・・・!そして・・・!!

 

ターン終了である

 

いや、次のターンからネヘブが殴ってマナを出せるので十分強い動きだ。

だが2ターン目にジェネラルが着地することはどんなジェネラルでも強いのだ。別にネヘブだから特別強いわけではない。

そしてターン終了ということは相手に対処する猶予を与えることになる。

除去などされようものなら、せっかく快調に飛ばしたのに成果ナシだ。

 

いや、君はさきほど最初のメイン・フェイズでネヘブをプレイした!

ネヘブは以下の能力を持っている!

あなたの戦闘後メイン・フェイズの開始時に、

 このターンに対戦相手が失ったライフ1点につき(赤)を加える。」

つまりネヘブはこのターンに能力が誘発する!

つまり・・・!つまり・・・!!

 

0マナが加えられるのである

 

ターンは終了した。

 

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そして相手はアンタップした土地を使い、ネヘブに≪猿術≫を撃ってしまった。

君は意気消沈してネヘブを統率領域に戻した。

 

何が問題だったのだろうか?たまたま相手が除去を持っていたからだろうか?

でも除去を持っているかどうかなんて分からない。考えようがないので今は気にしないほうが良い。

少なくともただネヘブを出すだけでは弱い。そう思ってもらえれば十分だ。

 

~3ターン目~

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何故かターンが回ってきてドローする。

するとたまたま都合良く煮えたぎる歌を引くことができた!

これならもう一度ネヘブが出せる!

 

いや、本当にネヘブを出しても良いのだろうか?

また何も成果を得られないまま終わるのではないか?

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いや!君の場には猿術で出た類人猿トークンが居る!

早速ネヘブを出しなおす。

そして戦闘で類人猿トークンがアタック。見事3点のライフを削った。

するとどうなるか。

あなたの戦闘後メイン・フェイズの開始時に、

 このターンに対戦相手が失ったライフ1点につき(赤)を加える。」

この能力により3マナを生み出すことに成功した!

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このマナを使い、月の大魔術師をプレイできた。

対戦相手は揃って悲鳴を上げている。

 

~4ターン目~

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ターンが回ってきた。君の場には3体のクリーチャーが並んでいる。

仮に全員がアタックして全て通ったとしよう。

すると4 + 3 + 2 =9マナもの大量マナが得られることになる。

自前のマナと合わせれば少なくとも14マナはあるだろう。

もう勝利は目前だ。めちゃくちゃして勝ってしまおう。

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汚損破を超過で唱えた後に燎原の火を唱えると、対戦相手は全員投了した。

注:この対戦はフィクションです。実際の対戦とは関係ありません。

 

どうだろう、この対戦譜から分かることは多いはずだ。ネヘブを許すな

今回のケースだと類人猿トークンが良い仕事をしたことが分かるだろうか?

ネヘブを出す時にあらかじめダメージ源が出ていると、すぐにマナが増えるのだ。(テキスト読み上げ)

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例えば、1ターン目の動きが「山→魔力の墓所→風雲船長ラネリー」だったらどうだろうか?これも次ターンに山セットからネヘブを出すことができる。
そしてネヘブを出したターンにラネリーが3点削り、すぐに3マナを産み出すことができる!
2ターン目の時点で月の大魔術師まで出せていたかもしれない。
私はこれが「ネヘブの強い動き・ブン回り」であると信じている。

 

 

話を戻そう。

強い動きがこういうものならば、それを再現できるカードを増やすべきだ。

すなわちネヘブの前にあらかじめ展開しておくことで、ネヘブの能力を誘発させるカードのことだ。

これを私は前座カードと名付けることにした。
そう、デッキリストで意味不明だったであろう前座カードの概念はこうして産まれたのである。前座カードが誕生したことで金太郎飴は簡単に完成するだろう。

ところで前座カード(以下、前座と表記)はどのように定義すればよいだろうか?

基本的に、4マナ以下のクリーチャーは全員前座である。

ゴリラのシャーマンも月の大魔術師も宝捕りも、みんな揃って前座だ。
例外は背信のオーガだろうか。

だが条件さえ満たすのであれば、クリーチャー以外でも前座として扱えるのでは?

少考し、私は以下のような条件を考えた。

  • ネヘブより早く出せること
  • 場に残ること
  • マナを使わずに相手ライフを削れること

こんなところだろうか。

条件を満たしたのは以下のカード達だ。

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クリーチャー・トークンを出すスペルはそのトークンでライフを削れる。

前座だ。

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機体はネヘブが搭乗して殴ることができる。
前座だ。

 

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速攻を与えるものはネヘブが速攻で殴ることができる。
前座だ。

なお、速足のブーツは装備にマナが必要なので前座ではない

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これはライフを直接削る。

マナファクトではなく前座だ。

ついでにマナファクトとしての仕事もできるだけだ。

 

また、前座を増やすべきと言ったが多すぎるのも考え物だ。

基本的に前座はマナコストが軽いぶん盤面への影響も軽い。

初手7枚のうち1枚あれば十分なので入れすぎないようにしたい。

デッキ枚数99枚 ÷ 初手7枚 = 14.14より、大体14枚前後入っていれば問題ないはずだ。

なので今回は1枚オマケして15枚にした。

※数学的な話をすると単純な割り算では間違った確率計算だったりする。

だがそんな細かいことは重要ではない。目安が分かればそれで良いのだ

3.「連続突撃」はマナ加速

 前座について語るべきことはひと段落ついた。

次に話すべきはMTGの基盤であるマナソースについてだろうか。

すなわち土地・マナファクト・マナ加速のことになる。

ちなみに私はマナファクトとマナ加速は分離することにしている。

  • マナファクトは恒久的にマナを生みだす置物
  • マナ加速は一時的にマナを生みだす呪文・置物

と考えて分けている。

今回は謎の石の断片をマナファクトに含んでいない。あれは前座だ。

 

今回のリストでは

土地は30枚。若干少な目だろうか。

マナファクトは13枚。若干少な目だろうか。

マナ加速は9枚。若干…いや、かなり多い!

マナソース合計は52枚。丁度良いくらいに感じる。

 

基本的にマナソースは合計枚数がどれだけあるかで考えると楽だ。

土地はマナが出るなら問題ない。マナファクトは軽ければ使いやすい。これらの解説はこの程度にしておこう。

今一番解説が必要なのはマナ加速についてだ。

 

ところで前座の話で背信のオーガの名前をちょろっと出したが、私はこれを前座ではないと切り捨てた。

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何故か。

それはこのカードを唱えたことで起こる出来事を観察すれば一発で分かる。

 背信のオーガは以下の能力を持っている。

「ライフを3点支払う:あなたのマナ・プールに(赤)を加える。」

 

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たったのライフ15点でネヘブが出てしまう!

ネヘブが出た時、背信のオーガはまだ召喚酔いで殴れない!
これでは前座を名乗れない。

 

じゃあ背信のオーガは何なのか?

賢明な読者ならもうお分かりだろう、「マナ加速」だ。

4マナの背信のオーガを唱えた結果、5マナのネヘブが出た。つまりマナ加速ができている。

なにをしているのかを冷静に分析すれば役割が見えてくる。

私は背信のオーガをマナ加速に分類することにした。

 

ところで、ネヘブと非常に相性が良いカードは何だろうか?

色々答えはあると思うが、ここでは「ネヘブの能力と直接シナジーを形成するもの」で考えよう。

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それは追加戦闘を得るカードである。

その中でも「追加のメイン・フェイズを得るもの」に限定する。

 

ネヘブは戦闘後メイン・フェイズに能力が誘発する。

ここで追加の戦闘フェイズとメイン・フェイズを得るとどうなるか?

勿論、もう一度能力が誘発する。

それも全ての戦闘ダメージを合計しながら。

それはそれは潤沢なマナをもたらしてくれるだろう。

これをマナ加速と言わずして何と言えというのか。

連続突撃はマナ加速!

 

ところで、追い討ちというカードがある。

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これもメインフェイズを得る追加戦闘なのだが、他とはちょいと毛色が違う。

マナを払えば追加戦闘…ネヘブはマナを産む…

そう、無限戦闘成立である。これだけは後述するフィニッシャーに分類すべきだ。

 

さてマナ加速の話題なのだから他のマナ加速についても話すべきだろう。

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全体火力だ!

ダメージを与えればネヘブが産むマナも増える。これも立派なマナ加速だ。
従来のネヘブは地震や横揺れの地震といった全体X点火力までも使い、瞬間的に膨大なマナを産んでいたという。
何を隠そう、私だって最初は全体火力満載のネヘブを使っていた。
だが何度か対戦するうちにこれではダメだと判断した。

 

理由は簡単だ。

妨害に弱すぎたのだ。

 

追加戦闘と全体火力、どちらもジェネラルを唱えたい時にはマナ加速できない。
両者共ネヘブに依存したカードなのだ。
この手のカードが多すぎると相手はジェネラルだけ対処すればいいことになる。
それは由々しき問題だ。簡単に対処できる脅威などもはや脅威ではない。

 

両者を比較した結果、私が残したのは追加戦闘のほうだった。
この課題に気付いた時、既にクリーチャーを少しずつ増やし始めていた。
ならば相性が良いのは追加戦闘の方だ。そして全体火力の数を減らしたのだ。

 

それでも残ったこれらのカードは、全体火力の蟲毒を生き残ったカード達だ。
紅蓮炎血はこれ単体で戦闘前のダメージと戦闘後のフィニッシュ、両方を1枚でこなせる珍しい性質を持つ全体火力だ。
焦熱の合流点は何といっても器用だ。しかも器用貧乏ではなく器用万能ときた
コルバスの憤怒はドロー付きなのが素晴らしい。ネヘブは手札が枯れがちだ。

 

最終的にこの全体火力も消えてしまうのか、それとも長い付き合いになるのか
それは私にも分からない。

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うん、君は正統派のマナ加速だ。異論はない。
むしろ正統派マナ加速と言えるカードは他に一杯あるのに
これだけ残った事を指摘するべきか。
とは言ってもこれも理由は単純、マナ加速が多すぎたから。
追加戦闘と全体火力で既にマナ加速は十分なのだ。
「山、魔力の墓所、煮えたぎる歌」で1ターン目にネヘブが出てしまうから残していると言っても過言ではない。

4.お前のフィニッシャーを数えろ!

ここまでは前座とマナ加速の話をしてきた。

最後に残ったのは「勝つ為のカード」枠だ。

いや大雑把すぎるだろと言いたくなるのも無理はない。

しかし前座とマナ加速は"勝つ"という観点からすればどうにも頼りない。

だとすれば残る枠は全て勝利のために全力を出す枠といえる。

 

ところでどうやって勝利するのだろうか?

 

EDHで勝つと言えばコンボを決めるのが定番だ。
特定のカードを揃えた時の特殊なシナジーで全員を倒し切るのだ。


だがこのデッキは金太郎飴
特定カードを探すことなんて最初っから諦めている。
コンボを決めるのは戦略に組み込まない方がいいだろう。

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1枚コンボ!

とはいえ1枚でほぼ無限コンボできるカードは採用しよう。

たまたま手札に来た時に叩き付けるのだ。

 

で、残りの枠はいったいどうやって埋めるのか?
目的は勝利することだ。ならばもう決まっている。

1枚で勝てる程のパワーを持つカードを
ありったけ詰め込むのだ

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エルドラージ!

勝つまでパワーを叩き込む。今こそティミーが輝く時だ。
お気に入りの必殺フィニッシャーをこれでもかというくらい大量に入れよう。

 

しかし、こちらが勝利するまでに対戦相手が勝利してしまっては台無しになる。

そこで妨害の出番だ

前座やフィニッシャーに除去兼用だったり害悪生物が混じっているのもこれが理由だ。

ただし「対戦相手と1対1のカード交換すること自体がとにかく弱い」という理由により

単体除去はあまり強いカードとは言い難い。

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殲滅!殲滅!殲滅!

ならば全除去だ

ピン除去などという甘いことを考えているからダメなのだ。時代は大量除去だ。

1:3交換が取れるならカードアドバンテージ的にも負けはない。

例えば燎原の火。これは土地4枚とタフネス4以下のクリーチャーを殲滅する。

ネヘブは高タフネスなので耐えられるが、だいたいの生物は墓地送りだ。

各対戦相手のクリーチャーを1体ずつ焼けたとするならば

自分5枚:相手15枚の交換。見事1:3交換成立だ。

クリーチャーが沢山並んでいるならそのパフォーマンスは計り知れない。

 

また、何も全除去だけが妨害ではない。

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全体に行動制限を与える置物も有効だ。

虚無リティが高い物をチョイスしていれば間違いない。
※虚無リティが高いとは虚無のクオリティが高いという意味である

 

余談だが、綺麗に妨害が決まり相手全員が全く動けず自分だけ動いてる状況になると
大会中等の理由がない限りおそらく相手は全員投了する。
つまり妨害も立派なフィニッシャーになれるということだ。

 

ちなみに、完全にリセットしてしまうカード・自分まで行動制限されてしまう置物はオススメしない

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使用に適さないカードの例

たしかにブン回ればネヘブから大量マナが産まれ、ジョークルホープスを撃った後にネヘブを出しなおすことができたりする。

だがそれだけ大量マナが出ている状況なら他のカードでもだいたい勝てるはずだ。

それよりも普段使いが難しい点が厳しい。ただでさえ手札が枯れやすいのに無駄札を抱える余裕なんてものは無い。

妨害置物についても妨害に執心するあまり自分までカカシになっては本末転倒だ。
あくまで目的は勝利すること。自分の被害を最小限に留められる物を使い、効率よく対戦相手にカカシになってもらおう。 

 

潤沢なマナさえあれば赤でも派手なドローができる。

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そこから妨害やフィニッシャーに繋ぐことができれば勝利はたやすいはずだ。

これらも勝利の為のカード、広義的な意味でフィニッシャーと言えるだろう。

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また、攻撃しながらドローする生物に関しては追加戦闘カードと組み合わせるとデッキの回り方が凄まじいことになる。

引きによってはこれらのカードでチェインコンボのように動くことも視野に入る。

ジョニーの腕の見せ所だ。できる選択肢を組み合わせて勝利への道を構築しよう。

 

今回は墓地回収やサーチ等もドロー補助という役割に入れている。

これは「最終的にフィニッシャーを唱える為の繋ぎとして使う」という性質から

それってドローを増やすのと同じことじゃね?と考えた結果、ドローとひとまとめにすることにしたのだ。

5.「これが栄光だ。」

これが私のEDH永遠衆、ネヘブだ。

気が付いてみれば全体的に不快カードの集合体といった姿になった。

でもそれは仕方のないことだと私は腹をくくっている。 

「相手のやりたいことを好きにさせたら負けてしまう」というのが私の意見だ。

ちゃんと勝とうとしたら除去が入ってくるものだろう。そこは他のフォーマットと同様だと思う。

 

ちなみにこのデッキの回し方だが

1.マナソースを展開する

2.前座を出す

3.ネヘブを出す

4.蹂躙する

以上。シンプルだね!初心者にもオススメ!!

 

実際、使ってて楽しいデッキなので是非遊んでみてほしい。

この記事も楽しんでいただけたなら幸いだ。

ここまで読んでくれてありがとう!